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AIプロンプトで変数を使う方法

クライアントごと、トピックごと、プロジェクトごとに同じプロンプトを書き直すのはもうやめましょう。変数を使えば、数秒で動く再利用可能なテンプレートが作れます。

AIプロンプトで変数を使う方法
このプロンプト、前にも書きましたよね。一字一句同じではなくても、ほぼ同じ内容のはず。先週はクライアントAのために。今日はクライアントBのために。構成も指示も同じで、いくつかの詳細を入れ替えるだけ。だから過去のチャット履歴を掘り返し、古いプロンプトを見つけ、コピーして貼り付け、名前や具体的な内容を手作業で書き換え、何か見落としていないか念入りに確認して……。
そして明日もまた同じことをするわけです。
もっと良い方法があります。プロンプト変数を使えば、一度プロンプトを書いて、変わる部分に印を付けるだけで、ずっと再利用できます。古い会話を漁る必要も、検索置換でヒヤッとすることもありません。空欄を埋めれば、それで完了です。

プロンプト変数とは?

プロンプト変数とは、使うたびに実際の内容に差し替えるプレースホルダーのことです。少しずつ違う内容で同じプロンプトを何度も書く代わりに、プレースホルダー付きで一度書いておき、必要なときにそこを埋めるだけで済みます。
もっとも一般的な書き方は、二重の波括弧を使う {{variable_name}} という形式です。これはテンプレートエンジンに由来する書き方で、Claude Console、プロンプト管理プラットフォーム、PromptNest のようなアプリでも採用されています。
簡単な例を見てみましょう。次のように書く代わりに:

Write a professional email to John thanking him for the meeting yesterday. Keep it brief and friendly.


こんなテンプレートを作ります:

Write a professional email to {{recipient_name}} thanking them for {{reason_for_thanks}}. Keep it brief and friendly.
これで、どんな相手にも、どんな理由にも対応できるテンプレートになりました。値を差し込めば、すぐに貼り付けられるプロンプトのできあがりです。

変数がコピペに勝る理由

「コピペして手動で書き換えればいいだけでは?」と思うかもしれません。確かにできます。でも、その作業を続けていくと実際にはこうなります。
コピペのワークフロー:
  1. この作業に使った良いプロンプトがあったことを思い出す
  2. チャット履歴(メモやドキュメント)を検索して見つける
  3. プロンプトをコピーする
  4. 何を変えるべきか読み返す
  5. 一つひとつ手で書き換える
  6. どこか見落としていないか祈る(「Dear [CLIENT NAME]」――やってしまった)
  7. AIに貼り付けて運を天にまかせる
変数のワークフロー:
  1. 保存したテンプレートを開く
  2. 空欄を埋める
  3. コピーして貼り付ける
デジタルエージェンシーの調査によると、構造化されたプロンプトテンプレートを使うチームは生産性が67%向上したと報告しています。プロンプトに魔法があるからではなく、書き直す手間や手作業の編集ミスをなくせるからです。
ぐちゃぐちゃに繰り返されたプロンプトと、変数プレースホルダーを使ったすっきりしたテンプレートの比較
ぐちゃぐちゃに繰り返されたプロンプトと、変数プレースホルダーを使ったすっきりしたテンプレートの比較
変数は一貫性も保ってくれます。プロンプトを手作業で書き直すと、ちょっとした変化が忍び込みます。言い回しが微妙に変わったり、加えていた制約を忘れたり、もとのプロンプトを成立させていた前提が抜け落ちたり。テンプレートにしておけば、最高のプロンプトを最高の形で凍結しておけます。

変数付きプロンプトの書き方

普通のプロンプトをテンプレートに変える手順は、次の3ステップです。
ステップ1:きちんと動くプロンプトを書く。 まずは具体的な例から始めましょう。一つの状況できちんと機能してから、汎用化するのがおすすめです。
ステップ2:何が変わるかを見つける。 プロンプトを眺めて、「別のクライアント、別のトピック、別のプロジェクトで使うとしたら、どこを書き換えるか?」と自問してみてください。そこが変数になります。
ステップ3:具体的な部分をプレースホルダーに置き換える。 {{double_brackets}} の中に、わかりやすく説明的な名前を付けましょう。何を入れるべきか一目でわかる名前を選んでください。
実際にやってみましょう。たとえば、ミーティングノートを要約するために、こんなプロンプトを書いたとします:

Summarize the following meeting notes from the Q1 planning session. Extract:
- Key decisions made
- Action items with owners
- Open questions

Keep the summary under 200 words.

Meeting notes:
The team discussed the product roadmap for Q1. Sarah will lead the new onboarding flow redesign. Mike raised concerns about the timeline for the API integration...
使い回すときに変わるのは何でしょう? ミーティング名と、ノートそのものの内容ですね。テンプレートにすると、こうなります:

Summarize the following meeting notes from {{meeting_name}}. Extract:
- Key decisions made
- Action items with owners
- Open questions

Keep the summary under 200 words.

Meeting notes:
{{meeting_notes}}
これで、どんなミーティングにも使えます。構成と指示はそのまま、中身だけが変わるわけです。

今日から使える5つのプロンプトテンプレート

よくある作業に使える実用的なテンプレートをいくつか紹介します。コピーして、自分用に調整して、あとで見つけられる場所に保存しておきましょう。

1. ビジネスメールへの返信

Write a professional email response to the following message. 

Context: {{context_about_situation}}
Tone: {{desired_tone}}
Key points to include: {{main_points}}

Original email:
{{original_email}}


このテンプレートは、クライアントへのメール、社内のやり取り、取引先への連絡などに使えます。{{context_about_situation}} 変数を使えば、AIが知らない背景情報を補えます。

2. コンテンツの要約

Summarize the following {{content_type}} for {{audience}}.

Format: {{output_format}}
Length: {{word_count}} words maximum

Content:
{{content_to_summarize}}


埋め方の例:
  • {{content_type}}:「research paper」「Slack thread」「article」「meeting transcript」
  • {{audience}}:「executives who want the key takeaways」「the engineering team」「someone with no background in this topic」
  • {{output_format}}:「bullet points」「three paragraphs」「a single sentence followed by details」
プロンプトテンプレートの変数プレースホルダーを埋めていくイラスト
プロンプトテンプレートの変数プレースホルダーを埋めていくイラスト

3. フィードバックの依頼

Review the following {{content_type}} and provide constructive feedback.

Focus areas: {{areas_to_focus_on}}
Tone: Be direct but encouraging

{{content_to_review}}

Format your feedback as:
1. What's working well (2-3 points)
2. What could be improved (2-3 specific suggestions)
3. One priority change to make first

4. SNS投稿のアイデア

Generate {{number_of_posts}} social media post ideas for {{platform}}.

Topic: {{topic}}
Brand voice: {{brand_voice_description}}
Goal: {{post_goal}}

For each post, include:
- The post text (under {{character_limit}} characters)
- A suggested image or visual description
- Best time to post (if relevant)

5. 概念の解説

Explain {{concept}} to {{audience_description}}.

Constraints:
- Avoid jargon: {{terms_to_avoid}}
- Use analogies related to: {{familiar_domain}}
- Length: {{length_preference}}

Start with why this matters to them, then explain the concept, then give one practical example.


これはドキュメントづくり、教育、クライアントへの説明などに役立ちます。{{familiar_domain}} 変数を使うと、AIが相手にとって身近な比喩を選びやすくなります。たとえば不動産関係のクライアント向けなら「use analogies related to buying a home」と指定するとよいでしょう。

陥りがちな落とし穴

変数自体はシンプルですが、いくつか気をつけたい点があります。
変数が多すぎる。 プレースホルダーが10個以上あるテンプレートは、おそらく欲張りすぎです。複数のテンプレートに分けるか、めったに変わらない部分は固定値にしましょう。空欄が多すぎるテンプレートは、ゼロから書くのと同じくらい時間がかかります。
変数名があいまい。 {{text}} では何を入れればいいかわかりません。{{customer_complaint_summary}} なら、何を入れるべきかひと目でわかります。具体的に名付けましょう。未来の自分に感謝されます。
貼り付け前に変数を埋め忘れる。 AIの返答に {{client_name}} が現れたら、それは貼り付ける前に変数を埋め忘れたサインです。貼り付け前に、残った波括弧がないかさっと確認するクセをつけましょう。
長い変数の使い方を書いていない。 {{meeting_notes}}{{document_text}} のような長めの入力には、テンプレート内にヒントを添えるのがおすすめです。「Paste the full meeting notes below」や「Include the complete email thread」のように。あとで自分やチームメイトが使うときに役立ちます。

テンプレートはどこに保存する?

プロンプトテンプレートは、見つけられて初めて役に立ちます。多くの人の自慢のプロンプトは、ChatGPTの履歴に埋もれていたり、どこかのメモに紛れていたり、覚えてはいるけれど場所が思い出せない状態になっています。
選択肢はいくつかあります:
  • シンプルなメモやドキュメント――数個のプロンプトなら使えますが、すぐ散らかります
  • スプレッドシート――整理しやすい反面、書式付きの長いプロンプトには扱いにくい
  • 専用のプロンプトマネージャー――この用途のために作られたツール
本気でテンプレートのライブラリを育てるなら、専用ツールが便利です。PromptNest はまさにこの用途のために設計されていて、{{variables}} を組み込んだ状態でプロンプトを保存し、プロジェクトやカテゴリで整理し、ワンクリックでコピーできます。コピー時に各変数の入力を求めることもできるので、最終的なプロンプトはそのまま ChatGPT、Claude、その他お好みのAIに貼り付けるだけの状態になります。
大事なのは、何かしらの仕組みを持つこと。ツール選びそのものより、うまくいったプロンプトを保存する習慣の方がずっと重要です。

まずは1つのプロンプトから

今日のうちにワークフロー全体を作り直す必要はありません。よく使うプロンプトを1つ選んで始めてみましょう。メールの下書き、ノートの要約、コンテンツのアイデア出しなど、何でも構いません。書き出して、変わる部分を見つけ、それを変数に置き換えます。
見つけられる場所に保存しましょう。何度か使ってみてください。2回目、3回目に使うときの速さが、ゼロから書くときと比べて段違いに変わるはずです。
それから、また書き直しがちな次のプロンプトでも同じことをやってみましょう。続けていくうちに、自分のベストな思考が詰まったテンプレートのライブラリが、必要なときにいつでも使える状態でできあがっていきます。
そのライブラリ専用の置き場所がほしければ、PromptNest は変数付きでプロンプトを整理できる Mac ネイティブアプリです。Mac App Store で $19.99 の買い切り、サブスクリプションもアカウントも不要で、ローカルで動作し、どんなAIとも組み合わせて使えます。とはいえ、整理されたGoogleドキュメント1枚でも、ゴールの8割は達成できます。
ポイントはツールではありません。同じプロンプトを何度も書き直すループをやめて、その時間をようやく取り戻すこと。それこそが本当の目的です。